自治体行政マンが見た 欧州コンパクトシティの挑戦―人口減少時代のまちづくり・総合計画・地方版総合戦略のために

欧米の都市政策が紹介された本は、これまでも大学教授や現地在住の研究者が書いた本がいくつもありますが、この本は海外先進都市の政策の紹介に終わらず、日本の自治体政策への応用のあり方を具体的に提案した、初めての本のなのではないでしょうか。長年、総合計画を担当したという著者の経験と反省（！）にもとづく、日本のまちづくりや計画を変える提言は、計画部門の職員としても新鮮かつ刺激的でした。特に、これから取り組まなければならない「第２期地方版総合戦略」は、当然、国の通知やマニュアルのとおりに対応するものと考えていましたが、最終節の「国の方針と決別し人口減少を前提とした総合戦略を策定しよう」の提案については、どう受け止めるべきなのか、早速、役所内で意見交換してみたいと思います。いずれにしても、紹介されているフランスやドイツの３つの先進都市のような活気あるコンパクトな街をつくるには、今までの発想と政策を大きく変えなければならないということは、明確に理解できました♪